
東京都墨田区の賛育会病院が、
今日、2025年3月31日から
「いのちのバスケット」
(赤ちゃんポスト)
の設置を開始しました。
これは、親が育てることが
難しい赤ちゃんを匿名で預かる仕組みで、
国内では熊本市の慈恵病院に次いで
2例目となります。
同時に、妊婦が医療機関だけに
身元を明かして出産する
「内密出産」制度も導入され、
妊娠・出産に悩む女性を幅広く
支援する体制が整いました。
この取り組みが始まる背景には、
日本国内で進行する
「育てられない妊娠・出産」
の問題があります。
予期しない妊娠や経済的困難、社会的な
事情によって、育児を断念せざるを
得ない女性は少なくありません。
しかし、これまでの社会制度では、
こうした女性たちに対する十分な支援が
確立されていませんでした。
熊本市の慈恵病院が2007年に国内初の
赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」
を設置して以来、118人の赤ちゃんが
預けられ、その多くが新しい家庭へと
引き取られました。
この実績が評価され、東京都でも新たに
「いのちのバスケット」が導入される
ことになったのです。
賛育会病院の「いのちのバスケット」は、
病院の一角に設置され、利用者は
赤ちゃんを匿名で預けることができます。
赤ちゃんを預けた後は、病院のスタッフが
すぐに対応し、安全を確保した上で
医療処置を行います。
その後、都や区が戸籍の作成や養育先の
確保を行い、赤ちゃんが安心して
成長できる環境を整えます。
また、「内密出産」制度では、出産する
妊婦が医療機関にのみ身元を明かし、
他の公的機関には匿名を維持することが
できます。
これにより、「妊娠を誰にも相談できない」
「出産後の育児ができない」といった
女性たちの不安を軽減し、赤ちゃんを
安全な環境で迎え入れることが可能に。
例えば、フランスやドイツでは
「内密出産」が制度化されており、
多くの女性がこの仕組みを利用しています。
日本でもこの制度を導入することで、
妊娠や出産に悩む女性たちが安心して
赤ちゃんを産み、安全な環境で
育てられるようになると期待されています。
「いのちのバスケット」
(赤ちゃんポスト)の設置と
「内密出産」の導入は、日本の社会が
抱える出産・育児の課題に向き合い、
新たな解決策を提供する画期的な
取り組みです。
東京都と墨田区は、この制度の運用に
関して戸籍の作成や養育先の確保といった
支援体制を整えています。
これにより、育てることが難しい親が
孤立せず、赤ちゃんが適切な環境で
成長できる社会が築かれることが
期待されます。
今後の課題としては、利用者が適切に
制度を活用できるようにするための
周知活動や、養育先の確保に向けた
さらなる支援体制の拡充が求められます。
しかし、この新たな一歩が、
日本の出産・育児支援の新しい形を
切り開くことは間違いありません。
親と赤ちゃんがともに安心して
未来を築ける社会になればいいですね。
★ 後藤真希 flos
★ 「3月の大彗星」という名付けられた彗星
★ データの完全性はトランスポート層のフロー制御で